最近ブログの最後に「Chao!」と書いているのをお気づきでしょうか?これ「チャオ!」のつもりです(でした)。ドイツでの代表的な挨拶(さようなら)にはAuf Wiedersehen. (アウフ・ヴィーダーゼーン) というものがあるのですが、これは結構あらたまった挨拶。多くの人がTschüs. (チュース)を使っていますが、同じくらいの頻度で「チャオ」も聞くんですな。 「チャオ」はイタリア語だと思っていましたが(正しい)、ドイツでも「チャオ」が一般化しているようです。
さて、話が遠回りしましたが、「チャオ」の正しいスペルは”Ciao”で”Chao”ではありません。もう少しで”Chaos”になってしまうところでしたねっ!!
話は前後しますが、今月ケルンで開催された
Professional MotorSport World Expoへ行った時のレポートを。Q : Professional MotorSport World Expoとは。A : ヨーロッパ最大級のモータースポーツ参加者向け技術・商品見本市です。ヨーロッパのこの種のエキスポが二つあります。一つは毎年一月にイギリス・バーミンガムで行われる
Autosport Internationalで、もう一つが上で説明したProfessional MotorSport World Expo。イギリスで行われるイベントは、大衆向けの一般公開イベントと企業向けのトレードショーが行われていますが、ケルンのイベントはそのトレードショーのみを行っているようなイベントです(そしてイベント主催者も同じだと思います)。なぜイギリスと同じようなイベントをドイツ・ケルンで開催する必要があるのか?「イギリス企業がヨーロッパで市場を広げる良い機会となるからかな?」と思っていましたが、イギリス以外からも地元ドイツを中心に、フランス、アメリカからも企業がブースを出展しており、ヨーロッパという大きなモータースポーツ産業市場の中で二つのイベントは地域による住み分けがなされているようです。

企業出展内容は、トランスミッション・ロールゲージ・メーター・データロガー・ファスナーなどを製造するメーカーさん陣営と、カーボンコンポジット・機械加工・鋳造・鍛造・表面加工などをおこなう機械加工屋さん陣営に大きく二分していた気がします。メーカーさんは会場を訪れるアマチュアドライバーさん方に新製品を売り込み、機械加工屋さんはエフワンチームやメーカーさんなどのお得意さんを探しておりました(○ンダレーシングの方も会場で取引先を探しておりました)。会場で特に目立ったのはDLCコーティング(ダイヤモンドのように固く、低摩耗特性を持ったコーティング)屋さんの多さです、今後も注目の技術ですね!

こちらはエフワン部品も多く製造しているという企業のブース

ため息が出るほど美しい部品たち。。。出展している企業の中でおもしろい所というと。現在
KERSシステム(運動エネルギー回収システム)を開発しているF1チームウィリアムズの子会社
Automotive hybrid power社がやってきておりました。ブースには回収したエネルギーをバッテリーに貯蓄するバッテリー貯蓄式とフライホイールに貯蓄するフライホイール貯蓄式の二種類のKERSが展示されており二つの長所・短所を係員の人が詳しく説明してくれました。下の写真はフライホイール貯蓄式で、エネルギーの回収・放出をコントロールするクラッチやトロイダル式CVTが確認できると思います。ちなみにこのトロイダル式CVTはイギリスのXtrackが開発したもので、非常に小さく、今後のトロイダル式CVTの展開にも期待がかかります。

その他気になったのはイギリスのエンジンチューナー(エンジンチューナーで済ませては怒られるでしょうか?)
ILMOR Engineering社。古くはアメリカIRL(CART?)の時代からエフワンやMotoGPなどでエンジンチューナーとして活躍、近年は紆余曲折で企業が売られたり・買われたりありましたが、現在も多方面に活躍の場を広げているようです。ブースには完全オリジナル設計のMotoGP用エンジンと環境を配慮した5サイクルエンジンなど、モータースポーツだけではなく、環境技術にも力を入れるという新しい企業スタイルを開拓しておりました。今後ともモータースポーツ関連企業が航空宇宙や環境技術分野に参入するケースがどんどん増えてくるのではないでしょうか。そんな企業戦略をじっくり見ていくのもモータースポーツ産業を見る一つの楽しみ方かもしれません。そしてイルモアの方、お土産のUSBメモリありがとうございます!!
概して、今回のEXPO、モータースポーツ関連企業の方々と交流でき、今まで外から見てきたヨーロッパモータースポーツの内側を少し覗けた?のがうれしかった。しかし、国際化時代の現在でも日本モータースポーツと海外・欧州モータースポーツの間には、産業的にも、また、文化的にもまだまだ大きな壁・差があることを痛感しました。それは、会場に日本人が自分たちを含め5、6人だけしかいなかったということだけではなく、こんなにすばらしい商売の機会に何故日本企業は売り込みに来ないのか?そして、モータースポーツだけで技術見本市を開催することができるというこの文化を何故学びに、視察に来ないのか??ということ。
「障子を開けてみよ。外は広いぞ。」会場の一角、とあるモータースポーツ部品流通業のブースには日本語で書かれたパンフレットが用意されていた、「モータースポーツ用品のことなら○○商事へ!!」。係員の方に話を聞くと、某レーシングカーコンストラクター○夢さんとか、フジヤマ近辺の方々が商品をいっぱい買ってくれるのだと。日本モータースポーツ産業には大国へ挑む大志はないのか?現状に危機感を感じ、産業を再建しようとするリーダーシップはないのか?日本のモータースポーツはこのまま大国に飲まれてしまうのか?
最後は少し悲観的な話になってしまいましたが、実際に日本のモータースポーツ界は転機の時に差し掛かっていると思います。折りしも現在世界のモータースポーツPower(マネー)は中東・日本を除く東アジアに勢力図が移動しています。「障子を開けてみよ。外は広いぞ。」、今後の10年で日本がアジアモータースポーツ産業の中心になるのか?今こそ勇気を出して外に飛び出す時なのである。